石破おろしの動きと国民の意見(2025年7月時点)

「石破おろし」とは、2024年から2025年にかけて、自由民主党(自民党)総裁であり内閣総理大臣である石破茂氏に対する退陣要求運動を指します。


この動きは、2024年10月の第50回衆議院議員総選挙や2025年7月の参議院選挙での自民党の大敗を背景に、党内外から石破首相の責任を問う声が強まった結果として発生しました。


以下では、2025年7月時点の「石破おろし」の状況と国民の意見をまとめます。

目次

なぜ「石破おろし」が起こったのか?

2024年10月の衆議院選挙で、自民党は191議席、公明党は24議席と、与党合計で215議席にとどまり、過半数(233議席)に届かない大敗を喫しました。


2025年7月の参院選でも自民・公明両党が過半数を失い、衆参両院で少数与党に転落。この結果を受け、党内から「選挙に勝てない総裁では党の将来がない」との批判が噴出しました。

石破首相は、選挙敗北の責任を取らずに「日米関税交渉や物価高の『国難』に立ち向かう」として続投を表明。


「赤心報国(真心を持って国に尽くす)」という言葉を用い、自身の使命感を強調しましたが、党内や地方組織からは「責任逃れ」「民意を軽視している」として反発が強まっています。

「石破おろし」の主な動き

1. 自民党内の反発

  • 中堅・若手議員の動き:参院選大敗後、自民党の中堅・若手議員を中心に「石破おろし」が加速。両院議員総会(党の重要事項を議決できる会議)の開催を求める署名活動が展開され、7月25日には必要数の3分の1に達したと報じられています。総会では総裁選の前倒しや退陣要求が議論される可能性があります。

  • 旧派閥の動向:旧安倍派、旧茂木派、麻生派、高市早苗氏周辺の非主流派が「石破おろし」の急先鋒。旧安倍派は、過去の裏金問題で批判された経緯から、石破首相が「古い自民党」と批判する対象とも重なり、対立が顕著です。

  • 重鎮の関与:麻生太郎最高顧問や茂木敏充前幹事長らが水面下で会合を開き、党内情勢を協議。麻生氏は過去に石破氏が「麻生おろし」に加担した経緯から溝が深く、麻生派の動きが政権運営に影響を与える可能性が指摘されています。

2. 地方組織の反発

  • 高知県連・愛媛県連:石破首相の早期退陣を求める声明を発表。

  • 神奈川県連:責任の明確化を求め、辞任を要求する文書を提出。

  • 大阪府連:青山繁晴参議院議員が「解任的辞任」をテレビで要求し、27日にも退陣要求を正式に判断する方針。地方議員からは「石破総理が辞めないと自民党が崩壊する」「有権者が自民党に愛想を尽かす」との厳しい声が上がり、地方創生を掲げる石破首相にとって、地方からの反発は大きな打撃です。

3. 国民の意見と世論

国民の世論は「石破おろし」に対して分裂しています。
以下は、2025年7月時点の主な世論調査結果とSNS上の声です。

世論調査

  • 共同通信社(2024年10月):65.7%が「石破首相の辞任は不要」と回答。

  • JNN(2024年10月):71%が「辞任不要」と回答。

  • FNN(2024年10月):55.3%が「辞任不要」と回答。

  • 日本経済新聞・テレビ東京(2025年7月25〜27日):石破内閣の支持率は32%で、政権発足以来最低を更新。「支持しない」が61%に上り、退陣論が強まる中、国民の支持が低下している。

  • 共同通信社(2025年3月):支持率が27.6%に急落、発足以来最低。


SNS上の声

  • 支持する意見:一部の国民は「#石破辞めるな」のハッシュタグで石破首相の続投を支持。特に野党支持者やリベラル層からは、「石破氏は安倍政権の反知性主義と対極」「論理的で誤魔化さない」との評価が聞かれます。

    たとえば、立憲民主党支持者の23歳男性会社員は「政権交代がベストだが、右傾化を防ぐために石破氏を応援する」と発言。れいわ新選組支持者の70歳男性も「日本の安心のために続投してほしい」と述べています。

  • 批判する意見:一方、保守層や自民党支持者からは厳しい声も。「増税や外国人政策で治安悪化」「外交政策が無策」といった批判がX上で見られ、参政党に票が流れたとの指摘もあります。

    たとえば、「石破氏は国民の味方でない」「自民党を壊滅させたい」との投稿が散見されます。

  • デモ活動:7月25日夜、首相官邸前で「#石破辞めるな」デモが行われ、「民主主義を守れ」「政治の右傾化を防げ」との声が上がりました。

    参加者には立憲民主党やれいわ新選組の支持者も含まれ、保守派の高市早苗氏が次期首相になることを懸念する意見が目立ちました。

4. 野党の動向

野党も石破政権への圧力を強めています。立憲民主党の野田佳彦代表は、内閣不信任決議案の提出を示唆。


国民民主党の玉木雄一郎代表は「約束を守らない政権に協力しない」と連立を拒否し、少数与党の政権運営は野党の協力なしには困難な状況です。

石破首相の対応と今後の展望

石破首相は「古い自民党に戻したくない」と強い使命感を示し、退陣を否定。

7月23日には岸田文雄前首相、菅義偉副総裁、麻生太郎最高顧問らと会談し、進退問題は議論されなかったと述べています。

しかし、8月1日の日米関税交渉の期限や臨時国会の開催を控え、党内や野党の動き次第では政権運営がさらに不安定になる可能性があります。

党内では、両院議員総会の開催や総裁選前倒しを求める声が強く、署名活動が週明けに延期されるなど、依然として流動的な状況です。「石破おろし」が成功するかどうかは、非主流派の結束力や地方組織の動向にかかっています。

過去の因縁とブーメラン

石破氏は2007年に安倍晋三元首相(当時)に対し、公然と退陣を要求した過去があります。

この発言が今、「石破おろし」として自身に返ってくる「ブーメラン」とも揶揄されています。

記者会見でこの点について問われた石破氏は、「そのことを強く記憶している」と述べ、過去の行動を踏まえた慎重な発言を意識している様子が伺えます。

まとめ

「石破おろし」は、自民党内の派閥対立、選挙敗北の責任問題、地方組織の不満が絡み合った複雑な動きです。

国民の意見は分裂しており、世論調査では依然として「辞任不要」の声が一定数あるものの、支持率の急落やSNS上の批判が示すように、風当たりは強まっています。

石破首相は「赤心報国」の信念で続投を貫く姿勢ですが、党内基盤の弱さ、野党の圧力、地方の反発により、政権運営は「いばらの道」に直面しています。

今後、両院議員懇談会や両院議員総会の開催や総裁選の前倒し、さらには内閣不信任決議案の提出など、政局は大きく動く可能性があります。引き続き、最新の動向を追いながら、日本の政治がどう進むのか注目していきましょう。


情報は2025年7月28日時点のものです。最新情報はニュースや公式発表をご確認ください。



サトヤエ

参議院選挙が終わったばかりですが、
政権の動きが気になりますね。

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